私の研究室には留学生の方がいます。
その留学生がある日、血相を変えて私のところに相談にきました。
その内容を箇条書きにすると
・領事館経由で、自国の警察から自分の携帯電話にFacetime電話がかかってきた。
・電話番号も海外から掛けられたものだった。（市外局番が自国のもの）
・警察の派出所？も実在する地名のものであった。
・警察曰く、あなたはマネーロンダリングに関与している容疑で逮捕状がでている。
・疑いを晴らすためには今からいう口座にあなたの資産を移しなさい。
・同日14時までに移さないとあなたの銀行口座は凍結される。
・誰にも相談してはいけない。
とのことでした。
話を聞いて
私：「うーん、きっとそれ振り込め詐欺やねぇ。」
彼：「私も60%くらいは詐欺かもしれないと思っています。ただ、40%は信じてしまうんです。派出所の様子とか牢屋とかの感じも本物っぽかったですし。」
私：「いや、その話聞くと、99.9999%くらい詐欺やと思うかなぁ。わざわざ牢屋とか派出所のなか見せる必要ないし。」
彼：「うーん。でも先生、僕心配なんで、一緒に助けてもらえませんか？」
ということで、彼と一緒に「やることリスト」を作成しながら、連絡するべきところに連絡。
今回は警察、領事館に電話したところ、やっぱり振り込め詐欺とのことでした。
これまでの私が知る振り込め詐欺は、高齢者を狙った、いわゆる「やや判断力が低下した人」を狙い、さらにその人たちに冷静な判断ができない状況に追い込んでいくようなものと考えていました。
ただ、留学生の彼の年齢は30歳前後で、また留学に来ているくらいなので比較的inteligence levelも高めの部類に入ると思います。
そんななかでの今回の詐欺。
私が意外だった点を挙げると
・若年で、留学に来る程度の、比較的inteligence levelも高めの人をもtargetにする
・そんな彼でも冷静な判断を失ってしまうことがある
・海外でも同様の手口が使用されている
という感じでした。
きっとよくできたビジネスモデルなんでしょう。特に冷静な判断を失わせるような辺り。
なんにしろ未然に防げてよかったです。
ポイントは、冷静に対処してくれる第三者に相談することかな、と思いました。
当人はびっくりして間違った判断を下してしまう可能性がありますが、第三者はこの話を聞いて、振り込め詐欺を疑わない人はあまりいないと思います。
なので、もし周りでそんな人がいたら、当事者の代わりに対応してあげたらきっと喜んでもらえると思います。
ということで、皆さん、特に海外からの留学生の人も、気をつけてくださいね。
